右手の奏法には、大きく2つあります。
「アルアイレ」と「アポヤンド」です。
今回はまず、「アルアイレ」です。
もっとも多く使う奏法なので、正しく覚えられるかどうかが、その後の上達を左右すると言ってもよいでしょう。
アルアイレ(al aire)奏法とは?
弦を弾いたあとに、弾いた弦の「上の弦」にさわらずに、空中に向かって弾く奏法です。
たとえば、1弦を弾いたときに、2弦にさわらずに、手のひらに向かって指が動きます。
「al aire」はaire=air(空気・空中)のこと。
「弦を弾いた指は空中へ」という意味。
ギター演奏でもっとも多く使う奏法です。
アルアイレ奏法は、次のようなときに使います。
・和音を弾くとき
・アルペジオ(=和音をバラバラに弾く「分散和音」)を弾くとき
・伴奏部分を弾くとき
・繊細な音、弱い音、小さい音を出したいとき
まず親指(p指)を6弦(黄色の囲み部分)の上にのせます。
これは、初心者の場合、手の構えが安定せず悪いクセがつきやすいので、
支えをつくるためです。
慣れてきたら、p指を離しても構いませんが、
曲の中で支えても問題ない箇所であれば、
指を置いておいたほうがよいでしょう。
次に、人さし指(i指)を、1弦にのせ、弾く準備をします。
人さし指を、空中=手のひらの中へ向けて弦をはじく。
小さくて弱い音にならないように、しっかりと弦をはじく。
●連続して弾いてみる
初心者に多い間違いと対策
アルアイレの間違った弾き方❌
「弦をひっぱり上げて弾いてしまう」
これが初心者がもっともやりがちな間違いです。
「空中に向かって弾く」を「引っ張り上げて弾く」と勘違いしてしまう人が
かなり多いです。
そうなると、
・「ビシャ」という汚い音になりがち
・速く弾かなければならないときに、バタバタして指が追いつかない
・空振りしたり、違う弦を弾いてしまったり、ミスタッチをしやすくなる
などの弊害が生じます。
そうならないために、次の対策をおこなうことをおススメします。
1 右手の甲(下の画像の赤いライン)を弦から上方向に(遠くへ)動かさない
指の第3関節(下の画像のブルーの箇所)から動かして、指だけで弦をはじく。
2 弾く指を、弦の上に一度置いてから弾く
たとえば、1弦を人さし指で弾くときに、空中からいきなり弦を弾こうとせずに、
いったん1弦に指を置いてから弾く。
3 できるだけ、親指を6弦や5弦などの上に置いて、支えをつくって弾く
こうすることにより、手の動きを抑えるとともに、弦への安定したタッチが可能になる。
以上ですが、
「鏡で自分の右手の動きを確認する」・・・これはおススメです!
筆者も、独学の時代は、右手、左手の動きを、よく鏡で確認していました。
自分の手の動きの間違いは、意外に自分では気づかないものです。
ぜひ試してみてください。
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右手の基本2「アポヤンド」奏法
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右手のコツ Part.2[おちいりやすい罠]
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