Gentaro Guitar School

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楽器遍歴(後編)

楽器遍歴[前編]では、
●河野ギター20号(松)
●ホセ・ラミレス2世(杉)
●河野ギター20号(杉)
●ホセ・オリベ グランスプレマ(杉)
●ダニエル・フレドリッシュ 1967年(松)
●ローランド・シャルバトケ(杉)
●トーマス・ハンフリー ミレニアムモデル(松)
の7種類のギターの使用感を紹介しましたが、後半では、さらに7種類のギターを
紹介します。
前半同様、あくまで個人の感想ですのでご注意ください。

★ホセ・ルイス・ロマニロス2世 1999年(松)、スペイン

中音域の美しさに魅せられ購入。少し詰まったような音の出方に、欲求不満を
感じるようになり、早々に手離す。以前、フォルテ楽器さんで弾いたロマニロス
1世が素晴らしく、そのイメージと憧れを追って購入したが、まったく違う楽器で
あることを痛感させられた。

その後、1世を試奏する機会を何度か得たが、楽器ごとに力木の設計も異なること
もあるせいか、いまだに納得のいく楽器に巡り合えていない。
試奏した1970年前半と後半の1世では、かなり印象の違う楽器となっており、
前半はトーレスの作りに近く柔らかい弾き心地、後半は弦の張りが強めでその分
クリアな音作りだった。
「ロマニロスは個体差が大きい」とよく言われるが、なるほどと思う。

★河野15号  1974年(杉)

再び河野の杉を購入。フレドリッシュの下取りに出してしまったが、後悔している。
弦長は660ミリと大きかったが、大きさを感じさせないくらい弾きやすい楽器だった。
河野ギターはやはり素晴らしい! 1台は常に所有しておきたい楽器だ。

★ダニエル・フレドリッシュ 1979年(杉)、フランス

以前、フレドリッシュ1967年(松)を使っていたが、松と杉では「まったく別の
楽器」だ。
フレドリッシュは、松から、より音量の出る杉へと製作を移行していったが、
私は松の良さを感じる。
しかし、フレドリッシュの杉は、杉にありがちな「音のぼけ」がなく、松の楽器の
ような芯のある音が出る。
音量もありながら、繊細な音も出すことができ、幅広い音楽に対応可能。
最近では、朴葵姫(パク・キュヒ)さん、岡本拓也さんなど若手のギタリストが使い、
素晴らしい演奏をおこなっている。
写真は、フレドリッシュとのワンショット。

★パウリーノ・ベルナベ インペリアル 1997年(松)、スペイン

乾いた音で良く鳴る楽器。いかんせん張りが強く、爪の弱い私には、特に高音弦は
細い針金のような音になりがち。太い音を出すことができなかった。
弾く方が弾くとベルナベの良さを引き出せるのかもしれない。
某楽器店で数多く扱っているため、この手の手工ギターの割には中古市場で数が
多く、リセールバリューは低くなる可能性があるので、注意が必要かも。

★グレッグ・スモールマン&サン 2010年(杉)、オーストラリア

スペイン伝統色の強いベルナベから一変。ジョン・ウィリアムスが愛用して有名
になった、
オーストラリアのギター製作家、グレッグ・スモールマンによる革新的なギター!
音量は大きいというよりも、「爆音」と言ったほうが正しい。17フレットの3弦
と4弦の間にある小さい穴(写真)に、細い六角レンチを入れて回すと、ギター
のネックの角度が変わり、弦高が調整できる。ギターのボディとネックが分離
して動くのだ!

自分の感性?に素直に反応してくれる繊細な楽器が欲しくなり手離す・・・。
楽器の個性が強すぎるため、音色のコントロールがしにくい、自分の個性を出し
にくい、などの一面があるのではないかと感じる。

★西野春平 ハウザーモデル 2006年(松)

ハウザーに憧れ始めた頃に購入。完成度の高いギター。レッスンで利用。
シンプルだが飽きのこない、王道を行くギター。

★ハウザー 2世 1960年(松)、ドイツ

このホームページのトップページにある画像の楽器が、ハウザー2世。
私の師匠が使うハウザー2世の、無駄を削ぎ落とした、雑味のないクリアな音色、
響きに魅了されで購入。
いろいろな楽器店で試奏したが、1960年前後のハウザー2世は、1970年代以降
の張りが強く、硬く、大きいハウザー2世とはまったく違う楽器であると言って
もよい。

1960年前後のハウザー2世は、1世の影響も残っており、よりトーレスの音作り
に近い気がする。
弦長も648ミリと短く、かなり弾きやすい。音が太く、音色の変化も、弾き手の
要求に応えてくれる。

ハウザーにはマイナスの美学があるような気がする。
無駄なものをそぎ落とした後に、ギターのエッセンスだけが残った感じ。
良いものはシンプル。
ギターショップで他の楽器と弾き比べても、雑音が少なく、音楽自体がスッと
耳に入ってくる。
しかし、その分、嘘のつけない楽器でもあり、弾き手の音楽性が露わになる
怖い楽器でもある。

以上だが、ハウザー、ロマニロス、ラミレスなど、世代の古い楽器ほど
素晴らしいものが多いと思うのは、私だけだろうか?
(骨董的意味は別として・・・)
芸術と経済の発展はむしろ逆行、人類は退化しているのでは・・・?
という思いを新たにする今日この頃だ。

★アルカンヘル・フェルナンデス 1969年(松)、スペイン

クラシックギターとフラメンコギターを、コンサートの前後半で持ち替えて弾く
二刀流のような機会が増えたため、両用のギターが無いものか、ギターショップ
に相談していたところ、このアルカンヘルを紹介いただいた。

もともとはフラメンコーギター(白)として作られた楽器だが、長い間一人の方
にクラシックギターとして弾かれてきた楽器だそうで、ゴルペ板も購入後に貼って
もらった。
乾いた音が根底にあるが、高音は非常に艶のある音が出るギターなので、非常に
気に入って購入した。

これまで、アルカンヘルは何本も試奏したが、自分には張りが強く弾きにくい
楽器が多かったのだが、この楽器はネックも薄いDシェイプなので、弦長657ミリ
と少し長めだが、押さえも苦にならない。
アルカンヘル特有の、濁りの無い、音の密度の高い、パワーのある音に満足している。

これでようやく、遍歴はお休み・・・かもしれない。

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