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初めてギターを買うとき、どうしたらいい? Part.3[弾きやすさ]

「ギターを買いたいのですが、どうしたらいいでしょうか?」
生徒さんからよくこんな質問をいただきますので、ブログにまとめてみました。

第3回の今回は、「弾きやすさ」について書いてみましょう。

●失敗の経験から

「弾きやすさ」って、非常に感覚的で、あいまいな言葉ですね。
筆者の経験からいうと、「弾きやすいかどうか」は、「第一印象」で決まると思います。
「第一印象」とは見た目ではなく、最初にギターを抱え、左手を押さえて、右手で弾いたときの印象です。

筆者は、ギターを購入したあとで、何度か「失敗した」と思ったことがあります。
欲しい気持ちが先行してしまい、「第一印象」=ちょっとした違和感(左手が押さえにくい、弦の張りが強い、ギターが重いなど)に目をつむってしまったためです。

「そのうち慣れるだろう」と思って買うのは、やめたほうがよいでしょう。
「そのうち慣れるだろう」は、「いつまでたっても慣れない」と同じ意味だと思います。
一度気になってしまった部分は、むしろ、時間とともに大きくなる場合があります。

では、その「ちょっとした違和感」はなぜ生まれるのでしょうか?
筆者のような失敗をしないためにも、ぜひ読んでみてください。

●弦長

弦長(弦の長さ)とは、「サドル」から「ナット」まで、つまり弦を支えている部分の間の長さ(=空中に浮いていて振動する部分の弦の長さ)のこと。上の写真の「巻尺で測っている部分」がそうです。
弦長が長いと、短い場合に比べ、各フレットの間隔が広くなり、手の小さい人には押さえにくくなります。

ギターはもともと海外の楽器なので、以前は手の大きい外国人サイズ(弦長660ミリ以上)でつくられていました。最近では、弦長650ミリが主流になっていますが、手の小さい日本人には650ミリが上限だと思います。
下の写真は、650ミリと630ミリのギターを比べた写真です。かなり長さが違うことに気づかれると思います。

弦長によるフレット間隔の違い。

演奏上、意外に大きい差が出る

小さいお子様や女性など、手の小さい方には、弦長の短い、いわゆる「ショートスケールモデル」をおススメします。筆者のギター教室では、「ショートスケールモデル」の無料レンタルをおこなっています。

以下、弦長の目安です。

・小学生(低学年) 480〜580ミリ
・小学生(高学年) 580〜620ミリ
・中学生 620〜630ミリ、もしくは650ミリ
・手の小さい方や女性 620ミリか630ミリ

●弦高

弦高とは、フレットから浮いている弦までの高さです。弦高が高いと、左手の押さえる力がより多く必要になり、とくに10フレットから12フレットくらいまでのハイポジションでは、非常に押さえにくくなります。

逆に、弦高が低すぎると、弦が振動したときにフレットに干渉し、ビビり音が発生します。
弦高は通常、12フレット上で測るとよいでしょう。同じギターでも、12フレットで、1弦と6弦とでは弦高が違います。1弦で3ミリ、6弦で4ミリ前後が標準といわれています。

12フレット上の弦高測定

●ナット幅

ナットとは、下の写真で、巻尺を当てている白い横長の部分です。
フレットの幅とほぼ同じといってよいでしょう。ナットの幅が広いと、左手で弦を押さえにくくなります。
たとえば、1弦3フレットを小指、6弦3フレットを薬指で押さえてみるとよくわかります。Gのコードです。

下の写真はフラメンコギターなので、ナット幅は少し狭めですが、クラシックギターの標準は52ミリといわれています。

フレットの幅

ただ、一点注意したいのは、弦長もナットの幅も、「短ければよい」というものでもありません。
指の太い男性などは、弦の間隔が狭いと、指と指が干渉しあって、かえって押さえにくくなることがあります。

●ネックの形状〜厚さ、安定感

左手でフレットを押さえるときに、意外に気になるのが、「ネックの形状」です。フレットを押さえたときに、左手親指が当たる部分の形状は一律ではありません。
メーカーによって、「U型」だったり「平らに近い型」だったりします。
人によって親指の長さも異なります。

ネックの形状

「ネックが太い感じで、押さえにくい」
「左手の安定感がない」
「何かしっくりこない」
などという場合は、再検討したほうがよいでしょう。

●弦の張力

張りが強いと、「左指で弦を押さえる力」と「右指で弦を弾く力」の2つが、より多く必要になります。
筆者が以前使用していた、スペインのギター「パウリーノ・ベルナベ」は、かなり弦の張りが強く、早々に手放すことになってしまいました。爪が薄くて弱い筆者には、かなりの負担でした。

●ギター全体の大きさ、重さ

ギターの「ボディー部分が大きい」と感じたり、「ギターが重い」と感じたりすることがあります。
それだけで、「扱いづらい」「コントロールしにくい」という印象が刷り込まれ、演奏に影響しまうことがあります。
ある意味、感覚的なものかもしれませんが、「感覚が大切な音楽」にとって見過ごせない部分だと思います。

 

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Part.1「ギターと弦の種類」
Part.2「価格」
Part.4「材質」
Part.5「ギター専門店」

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