
「ギターを買いたいのですが、どうしたらいいでしょうか?」
生徒さんからよくこんな質問をいただきますので、ブログにまとめてみました。
第4回の今回は、音を左右する「材質」について書いてみましょう。
●表面板の材質による違い
「ギターって。茶色っぽいものとか、白っぽい色のものとか、なんで色が違うの?」
と思われた方も多いと思います。色の違いは、木の材質の違いや経年変化によって生じます。
「ギターは、表面版(サウンドホールの空いている正面の部分)の材質が、音を左右する」といっても過言ではありません。
表面版の材質は、「松(スプルース)」と「杉(シダー)」の2種類です。
同じ製作者によるギターでも、松と杉で全く別の製作家の楽器のように違うことがあります。
主に、以下のような違いがあると言われています。
「松(スプルース)」
・見た目は、乳白色〜黄色に近い、薄めの色をしている(上記写真右)。
・音量は「杉」ほど大きく感じないが、音が太く、音の輪郭、粒立ちがはっきりしている。
・音の輪郭、粒がはっきりしているため、遠くからでも聴き取りやすい。
・派手さはないが、音色の変化がつけやすい。
・しっかりとしたタッチで弾くと、よく響く。
「杉(シダー)」
・見た目は、赤茶色に近い、濃い色をしている(上記写真左)。
・音量が大きい・・・というか音に拡がりがある。空中にパアッと音が飛んで拡がる感じ。
演奏者によく聞こえるため、「そば鳴り」する(そばでよく鳴って聞こえる)とも言われます。
・派手さがある。
・軽く弾いて音を出しやすい。
●どちらを選ぶか
ご自身のフィーリング(好み)に合ったほうを選べばよいと思います。
よく、「杉は新品のときからよく音が出るが、松は使い込んでいくうちに徐々に音が出るようになる」といわれます。しかし、これは微妙です。実証は難しいでしょう。
松のギターを購入される場合は、あまり先々のことを期待しないで、目の前の楽器を試奏して決めたほうがよいでしょう。最初からよく鳴る楽器を選んだほうが、あとあと後悔しないと思います。
松と杉、一長一短で、どちらも良い点がありますので、ぜひギターの専門店などで弾き比べてみてください。よくわからなければ店員さんに弾いてもらうのもアリです。
ご自身のフィーリングに合った楽器を選んでみて、結果、それが杉だった、松だった、ということで構わないと思います。
好みはだんだん変わっていきます。
私は40代までは、コンクールなどで杉の楽器を使っていましたが、現在は、松をメインに使っています。
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Part.2「価格」
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