名手、ジョン・ウィリアムスの完成された右手のフォーム
出典:YouTube「John Williams plays “Vals op.8 No. 4”. by Agustin Barrios Mangore.」
(Incredibly Strange Movies.)
このブログでは、実際のレッスンで筆者が見てきた、多くの生徒さんがおちいりやすいミスと、その対策を紹介しています。
前回は、構え方の基本と、弦の上に右手をセットするまでを解説しました。
今回は「右手」のおちいりやすい罠を紹介します。
●罠1 指の間が開いてしまう
前回、左手のコツ Part.1[構え方の基本]で紹介した、
「弦上に右手をセットする際、指先から動かしてセットしてしまう」
ことによるデメリットの1つとして、
下の写真のように「指の間が開いてしまう」ことがあります。
とくに開きやすいのが、人さし指と中指の間です。
では、なぜ指の間が大きく開いてはいけないのでしょうか?
弦をはじくときは、ある程度、手や腕の重さを利用しますが、
指の間が開くと、各指の重さを均等に、十分に、弦に乗せることができなくなるからです。
その結果、
・軽く、小さい音になる
・和音は、均等に音が出ず、音量のバランスが悪くなる
などのデメリットが生まれやすくなります。
❌ 指先から見た、各指のスキマ
⭕️ 指の間を軽く閉じた、理想的な形
指の間は、軽く閉じる。
人さし指、中指、くすり指は少し重なる形になる。
とくに開きやすい「人さし指」と「中指」は、意識するとよいでしょう。
●罠2 和音を弾いたとき、親指が人さし指の内側に入ってしまう
これは多くの初心者の方に見受けられるパターンです。
❌和音を弾いたときに、親指が人さし指の内側に入ってしまう
⭕️親指は人さし指の外側に位置する
●罠3 親指の第1関節を手のひら側に曲げて弾いてしまう
これもとても多く見られます。
右手にムダな力が入ってしまっているために起きます。
親指の第2関節を張り出し、第1関節(指先)を手のひら側に曲げて弾いてしまう現象です。
「わしづかみ」のような動作です。
❌ 弦を「弾(はじ)かなくてはならない」という意識が強すぎるとなりやすい
⭕️ 親指と手首のラインは直線に近いゆるやかな曲線を描き、腕の重さが弦に伝わる
では、動画で見てみましょう。
❌親指の第1関節を曲げ、手のひらの方向に弾いてしまう
⭕️、親指は人さし指の外側に向けて動かす
●罠4 手首が表面板にふれるくらいに落ちてしまう
手首のある程度の凹凸は演奏者の個性でもあり、許容範囲ですが、
許容範囲を超えると、将来的に演奏に支障が出る可能性があリます。
❌手首が表面板にふれるくらいに、大きく凹んでしまう
初心者のころは、手が安定しないため、表面板に手を置いて支えている方をよく見受けますが、これはNGです。
⭕️手首はまっすぐか、多少、凹むか突き出るくらいの形になる
表面板との間に、小さいボールが1つ入る程度の空間をつくることが大切(下の写真)。
この空間ができることによって、指の動きに自由度が生まれる。
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右手のコツ Part.1[構え方の基本]
右手のコツ Part.2[おちいりやすい罠]
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左手のコツ Part.1[安定する押さえ方]
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