このブログでは、実際のレッスンで筆者が見てきた、多くの生徒さんがおちいりやすいミス、左手・右手の使い方について紹介し、その対策を紹介しています。
今回のテーマは、[位置を決める]。
「位置」とは、ギターに対する左手の位置のことです。
これを間違うと、すべてに狂いが生じてしまいますので、非常に重要です。
初心者がおちいりやすいミスを、「左手の罠」として、
写真で具体的に説明してみましょう。
●左手の罠「手首の角度」
<パターン1 左手首を前へ出し過ぎてしまう>
「となりの弦に触れないように、指を立てて押さえよう」と、
手首を前に突き出してしまうパターンです。
<パターン2 手首が手前に曲がってしまう>
ひじを手前に引いて手首を曲げる形です。
<正しい手首の位置、角度>
●左手の罠「ネックに対する角度」
<フレットに対して右へ傾いて押さえてしまう>
写真の赤いラインが、大きく右に傾いていますが、
指は、フレットに並行に近いくらいが正解です。
一見、ムダな力が抜けていてよさそうに見えますが、
これでは上からしっかり弦を押さえることが難しくなります。
また、もっとも使う機会の多い「人さし指」で押さえる位置が遠くなり、ミスにつながります。
●左手の罠「親指の位置」
<パターン1 ネックの上に親指が出てしまう>
ネックの細いエレキギターやアコースティクギターなら問題ありませんが、ネックの太いクラシックギターの場合、俊敏な左手の移動をさまたげ、とくに低音弦が押さえにくくなります。
<パターン2 親指が横に流れてしまう>
この形だと、反対側にある指としっかりネックを挟んで押さえられなくなります。
<正しい親指の位置>
上下左右に常に移動できるように、ネックの中心あたりに待機させておきます。
<正しい親指の形>
V字をつくるイメージです。ネックを支え、フレットを押さえるのを助けます。
●罠の克服法「左手の位置の目安を決める」
いろいろと書いてきましたが、非常に重要なポイントがあります。
「フレットの面に対して、左手の正しい位置決め」ができれば、
今まで書いてきた問題の多くが解決されます!
では、どうしたらよいのか?
筆者が実践している方法がありますので、参考にされてください。
まず、3弦1フレットから4フレットに、左指1〜4の指を置いてみます。
そのときに、演奏者から見て、左指の付け根を結ぶラインが、
フレットの面と同じ位置を基準としてみるのです。
<フレットの面から、大きく上に出てしまう>
左指で上から弦を押さえられず、左手が安定しません。
<ブルーのラインをフレット面に合わせる>
手の平を広げ、指の付け根をネックの角に軽く当ててみます。
このとき、とくに「人さし指の付け根」をネックから離さない(空間を作らない)ことが大切です。
下の動画は、位置決めをする動画です。
ぜひ参考にされてください。
以上ですが、あくまで目安なので、次のように随時調整してみてください。
1弦を押さえるとき・・・指の付け根のラインは、フレット面から少し隠れた位置
6弦を押さえるとき・・・指の付け根のラインは、フレット面から少し上へ出た位置
つまり、押さえる弦の遠近によって、移動もOKということです。
関連記事
●右手
右手の基本1「アルアイレ」奏法
右手のコツ Part.1[構え方の基本]
右手のコツ Part.2[おちいりやすい罠]
●左手
左手のコツ Part.1[安定する押さえ方]
左手のコツ Part.2[弦との距離]音階編
左手のコツ Part.3[弦との距離]和音編
左手のコツ Part.4[手の向き]音階編
左手のコツ Part.5[手の向き]和音編
左手のコツ Part.6[位置を決める]
左手のコツ Part.7[ヘッドの位置]